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『アキハバラ@DEEP』

石田衣良初挑戦。中々面白かった。展開が少し速いかなあと感じたが、説明不足というわけではなく、ちゃんと盛り上がりどころがあり、特にクルークを取り返すために起こすアキハバラでの戦争は疾走感に溢れていた。失う物は何も無い若者達のただ自分達が新しいことをやろうということで結束し立ち上がる姿は読んでいてすがすがしい。その若者達を育てたユイさんのAIとの会話には思わずうるっと来るような名場面。弱者が自分達の立場を守るために強い物に立ち向かう革命染みた展開は心震える物があります。登場人物たちのキャラ立てがちょっと中途半端な気がしますが、充分許容できる範囲。でも読んでて思ったがコレは文章より映像で見たほうが面白い気がする。
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『数奇にして模型』

あまりのページ数にビックリのS&Mシリーズの9作目。一気に読んでしまいたいボクには、なかなか時間が取れず、購入してだいぶたってやっと読めました。しかし、いつもどおりの読みやすい文章に、エンターテイメントな部分も増してか、結構すぐに読めた。内容は、模型というジャンルになりかなり濃い物に、そして登場人物も濃かった。しかし、模型に賭ける情熱や信念は素晴らしい物で、特に大御坊のクリエーターとしての心構えは感心させられる物でした。そして事件は今までに無い猟奇的なもの、しかも犯人が異常者という、ボクは推理にもいたらない結果に。グチャグチャだ。今回は、事件よりも人間関係とかそっちの方に目が向いてしまうような。色々と人物相関図が分かったり、犀川先生がいちだんと人間っぽくなったり。にしても、国枝助手はやっぱいい。どんどん良くなっていくよ。そして、次でS&Mシリーズがラストということで、気合を入れていかねば。でも、あれページ数多すぎ、いつになれば読めるのか。


『今はもうない』

今回はここのところよく登場する萌絵の叔母様の話。萌絵そっくりだけど、さらにそれの上を行く行動力は見てて面白いです。犀川先生と萌絵は途中の幕間にしか出てこず、物語は完全に叔母様中心で回っていきます。ミステリーは理系ではないですが、全く先が見えない謎、トリック解いてみたら何だこんなもんかと思うようなものですが、決定的な証拠が出ないまま、そして最後の最後まで犯人が不透明なままで引っ張るのでかなり焦らされます。最後までワクワクが止まらない。ただ痴情のもつれとかいうのは個人的にあまり興味が無いので、そういう意味では普通の作品。最後の犀川先生と萌絵の会話は、いつもどおりの難解さと新しい発見があり一番好きな部分。やっぱり犀川先生が絡まないと面白くない。


『夏のレプリカ』

時系列としては前作の「幻惑の死と使途」と同じ。前作には奇数章しかないのに比べてこちらは偶数章のみ。といっても別に1,2,3と順番に読まなくてもよく、別々でいい。どちらも読んだ後に、時系列順に読んでみるのもいいと思うが。今作「幻惑…」の方で出てきた簑沢杜萌がメインの話なのですが、正直「幻惑…」の方より面白い。謎が簡単そうで難しく、コレかと思ったものは作中で全部否定される。仮説がアクロバティックに飛んで、飛んで、飛んだ先のまさかの結末。ラストのラストまで気付けない謎と最後真相に気付くまでの過程は、劇的で手が込んでいるなと思える。最後の最後には悲壮な雰囲気を救える展開も。理系な単語が登場するわけでもなく、ただ人が殺されただけという凝ったトリックがあるわけでもないので、読みやすさはこのシリーズでは一番。あまり登場しない西之園萌絵は、その出番の少なさにかかわらず、確実にいいところを持っていく。途中の刑事との会話やラストの犯人との会話、やはり主人公は彼女なんだなと思わせる活躍ぶり。傑作。


『幻惑の死と使途』

S&Mシリーズ6作目。今までとは結構気色の違う作品。マジック・イリュージョンが話と核となりそのせいで思考の迷路に嵌ってしまう。これは理系ではないですね。華麗な謎解きよりも動機の異常さ、ある種の綺麗さに目が行ってしまう。謎解きの素晴らしさは毎度のことなのですが、今回は被害者で加害者でもあるマジシャンの生き様がかっこいい。「諸君が、一度でも私の名前を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」この一言だけでも震えるぐらい心に来るが、最後の最期に行なうイリュージョンの華麗さも心を虜にする。ここまで自分の仕事に文字通り命を賭けられる人間は偉大だと思う。日常の部分は、前作でアレだけ動きがあったのに今作ではあまり変化が無かった。こっちの部分に気を取られてミステリにのめるこめなかったのも事実。それにしても、この人は本当にいいタイトルを考えますね。


『封印再度』

S&Mシリーズ5作目。今まで通り美しい推理は素晴らしいです。今回は密室の原因なんかは理科的だけど、推理の鍵となる部分は日本語の難しさなところで今までと少し雰囲気が違う。事件の背景にある禅問答のような考え方が個人的にかなり気に入り、この話に出てくる漢文もまさにボクが目標としている考えのままで、非情に親近感を覚えました。今まで通り理系な所もあり、さらに禅問答のような思想、会話があり今までとは別の角度からでも楽しめる。箱と壺のパズルは上手く理解できないが、まあそういうのもあるのだろうと思っていればいいのかな。そして、日常的なパートでの展開はまさかと思うビックリな展開と犀川先生の人間的な部分が垣間見れて今までの中で一番面白い。そして国枝助手がものすごくいいキャラクターになっている。何度でも読み返したくなる傑作。邦題と英題の引っ掛けも面白い。


このところ停滞気味だった展開に動きが。祐巳のロザリオを拒んだ理由もなんとなく明らかになり物語はかなりの盛り上がり。そんな瞳子ちゃん中心にシリアス展開、とても瞳子ちゃんの行動が裏目裏目に出てき、最後にはボロボロになってしまいますが、最後に現われる乃梨子ちゃんに泣きつく場面は瞳子ちゃんに希望が見え本編唯一の救いでした、この友情には感動します。本当に乃梨子ちゃんはいいところをとってますね。細かい所だと初っ端から白薔薇さんちに悶えたり、由乃の意地っ張りな所に悶えたり、祐巳が薔薇様の風格が出てきたりと余す所なく堪能できる。特に、「その場で百数えなさい」の台詞は、物語の展開としてもいいところだし台詞自体もカッコイイ(こりゃはやりますぜ)。今刊は、いつもと違った雰囲気(理由はあとがきで)、物語がうごく時の盛り上がりで相当良い出来でした。瞳子ちゃんが祐巳の妹になるのも時間の問題、バレンタインで一気に縮まるか、次かその次の刊にはかたい。


『詩的私的ジャック』

S%Mシリーズ4作目。前作が非常に印象的だったので、今回はちょっと盛り上がりに欠けるように思いました。密室のトリックや謎解き、その他の部分も今まで通り充分に面白いのだけど、前作同様の興奮は無かった。上げられる容疑者も個人的に好きになれそうに無い人間で、犯人の動機も天才的にぶっ飛んだ理由でもなく、潔癖で偏執的な人間の思考、狂ってはいますが、ゆなれば普通。作中に出てくる詩も、「すべては、イコールの為に」という一文は好きだが、後の部分には何も感じない(この部分は人それぞれだし、直接関係してくるものじゃない)。それでも個人的に前作がかなり気に入った作品なだけで、今回のが面白いというわけではなく、今まで通りの魅力は充分に詰まっている。主人公たちの関係もわずかな動きがあり、ミステリ部分よりもこっちの方が読んでいて面白かった。それにしても、国枝助手は、ホントいいキャラしています。
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