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『λに歯がない』
だんだんと深まっていく謎と、水面下でうごく人たち、萌絵の過去、すべてがすべて、この本で解決されるわけもなく読んでいて首をかしげることが多かった。それはもしかして僕の理解力のなさが原因か、解決されてないように見えてしまっただけなのか、いやされてないはず。そんなんで独立した一つの話としてはいまいち消化不良。でも久しぶりに犀川先生と萌絵の長い会話が楽しめる。つーか今の2人の関係はどうなの。建築のことも多かったし、国枝先生の魅力が巻を重ねるごとに増しているし、事件自体も面白い。謎解き部分がこのシリーズになってから大幅に削られているのが残念だけど、しかたないか。はやくすべての謎が解かれるのがみたい。
『少女は踊る暗い腹の中踊る』
結構何度も何度も読み返してみるも、やっぱキモチワルイ。凄惨だけど爽やかですってあるが別に爽やかじゃないし。こうも簡単に人は死ぬのか、しかも惨たらしい死に方でっていうぐらい死ぬ。別にミステリな訳じゃないから、その面にはあまり重きを置いていないが何故ばれないのか不思議なくらい死ぬ。主人公や蒼以の過去も暗い、そしてキモチワルイ。ほんとキモチワルイって言うしかないぐらいキモチワルイ。最後まで暗い暗い海底から帰れないでいた。でも、このグロさも気持ち悪さもスピードのある文章で読めるし、舞台がボクの地元・岡山、岡山弁での進行、ティンバーのブーツを履いていたり、格好がいつかのS-WORDのようだったり、車からアナーキーのラップが聴こえてきたりと、個人的に一々がグッとくるものばかりなので、気持ち悪くても読み返してしまう。
『ゼロの使い魔(3) 始祖の祈祷書』
「勘違いしないで。こ、こんなことしたって、別に好きでもなんでもないんだから」
なんてことでしょう、なんてこんな素敵でベタな台詞が出てくるのでしょう。素晴らしいね。シエスタもなんかどえらい性能を装備して登場しちゃったり、素晴らしいね。後半のシリアスな展開もおもろいね。ルイズが虚無に目覚めるトコなんかは、あからさますぎて、そんなもんとうの昔からしっとったわと言いたいが、まあ王道だしね。もうツンデレが極まりつつあるルイズが素晴らしいく、面白い。が、挿絵の位置に異議を申し立てたい。何故「枕の代わりよ」のトコでイラストをいれないか、ゼロ戦が旋回してるとこなんていらねーよ。
『つきのふね』
中学生にありがちなそうなやばめの不良グループ、抜けたくても抜けると学校に行きづらくなるから、いけないとわかっていても抜けられない。そんななか壊れた友情、出会った青年は静かに目の前で病んで行く。と、物凄いヘビーながら実際にどこかでありそうな現実的な話。主人公も1ページ目から植物になりたいと人生に絶望していたり、登場人物がどことなくみんな病んでいて静かに狂っていたり。ボク自身はそこまで酷くないが、だからと言って完全に他人事ではなく結構近い所もありかなり感情移入できた。ラストの智が疾走してからの展開のスピード感は物語の最高潮ともあり素晴らしい、ラストのラストには思わず目頭が熱くなりそう。ラストはハッピーエンド。
森博嗣とラノベばっか繰り返しで読んでいて、ちょっと他のも手をつけようとして、なんとなくこの温かい表紙と「つきのふね」っていうタイトルがなんか気になったから買ったけど、買ってみて良かった。