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『失はれる物語』
角川スニーカー文庫から出ていた『君にしか聞こえない』『失踪HOLIDAY』『寂しさの周波数』からの作品と「マリアの指」「ボクの賢いパンツくん」「ウソカノ」の計8本の短編が読める。どの作品も切なさ漂わせる作品で、特に表題作の「失はれる物語」は思わず涙ぐんでしまうほど悲しい物語でした。このほとんど幸せが無くその幸せすらも自ら放棄してしまう過程は悲しく、これで何も思わない奴はきっと人ではない。
「手を握る物語」は切なさは無いものの最後の最後にあっといわせる展開は驚きです。そして悔しい。「マリアの指」この物語は切なさ一辺倒でなくミステリ要素も少し入っていて主人公の心理描写やマリアの人柄の話の中心となる設定、展開この本の中で一位二位を争うぐらい面白い。本当に最後まで悲しいのは「失はれる物語」ぐらいで、後の作品は切ないなかで、前を向こうとするポジティブさが感じられる物でした。角川スニーカー文庫をもってて書き下ろしのためだけに買うのはもったいないと言う人でも「マリアの指」だけで、買う価値があります。また、その逆の人も角川スニーカー文庫にしか入ってない作品があるので買って見るべきです。個人的には「華」とか入れて欲しかった。
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