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『幻惑の死と使途』
S&Mシリーズ6作目。今までとは結構気色の違う作品。マジック・イリュージョンが話と核となりそのせいで思考の迷路に嵌ってしまう。これは理系ではないですね。華麗な謎解きよりも動機の異常さ、ある種の綺麗さに目が行ってしまう。謎解きの素晴らしさは毎度のことなのですが、今回は被害者で加害者でもあるマジシャンの生き様がかっこいい。「諸君が、一度でも私の名前を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」この一言だけでも震えるぐらい心に来るが、最後の最期に行なうイリュージョンの華麗さも心を虜にする。ここまで自分の仕事に文字通り命を賭けられる人間は偉大だと思う。日常の部分は、前作でアレだけ動きがあったのに今作ではあまり変化が無かった。こっちの部分に気を取られてミステリにのめるこめなかったのも事実。それにしても、この人は本当にいいタイトルを考えますね。
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