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『presentforme 石黒正数短編集』
表紙から見た感じ、SF色強いんかなっと思ったけど、ない事はないが、まあそうでもないかな。いやそれにしても、予想以上によかった。物語の1ページ目から飛ばしてくれてますよ、いきなり笑いましたよ。つっこみどころ満載で、流れに任せた感のある話から、いやあよく作りこまれているなと思う話があったり、この人の漫画家のスキルを物凄く感じられる。デビュー作の「ヒーロー」は、絵柄とかまだ安定してないけれど、若々しさというかある種の痛々しさが登場人物と同年代の自分としては、物凄く身近すぎて衝撃。表題にもなった「present for me」は、設定もよく出来ていて、ギャグもなく普通にハートフルな話。いやすっごくハートフルな話。まあそんないい話から、「なげなわマン」みたいなおっさんしか出てこない落語的なオチの話があったり、「バーバラ」には軽く殺意を覚えたり。まあそんな中でもボクが一番すきなのは「泰造のヘルメット」のバカバカしさなんですが。タイトルの所に傑作短編集と銘打っても誰も(とりあえずボクは)文句言わんであろう名作。
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『それでも町は廻っている(3)』
亀井堂の静さんの全体からにじみ出るどこか気だるそうな雰囲気と、ちょっと小ばかにした感じが最高。自分自身でボケれて、的確なツッコミもかましてくれたり、爺さんを軽く手玉にとる話術。最強。コレでメガネだったらと、いつもなら愚痴をこぼしたいが、この漫画にはタッツンという素晴らしいメガネさんがいるので文句なし。まあそんなキャラのことばっかじゃなくて、ストーリーも相変わらずのノスタルジーを感じさせる良い話ばかり。特に文化祭の話は最高。タッツンがちょっと積極的になったり、紺先輩が色々と物凄かったり、漫研のナイスリアクション、そして、お祭りのがやがやした感じから最後のコマで一気に切なさを感じさせる展開。素晴らしい。
『夕日ロマンス』
いや、コレが単行本で読めるなんて思ってもなかった。昔たまたまあったファンロードを暇つぶしに読んだ時に第一話をみたきり、それ以降ファンロードなんてみる機会がなかったから、ああ面白かったなで終ってたけど、まさか今になって読めるなんて。たしか名前が違うような気がするなと思ったけど、絵柄と紹介文的には記憶にあったものと似ているもんだから、購入、そして見事一致。すげえ。こんな棚の端にあったのを見つけられて、大興奮。そして内容も最高。実の姉と腹違いの妹から好かれるヒロ、この3人(腹違いの妹は中盤から登場だけども)のドタバタだけでも十分だが、周りの人物たちもエキセントリックなのが多く一層の面白さ。ただただ弟が好きなわけでなく、そこに至る経緯もちゃんと描いてあるし、何故母親だけなのか、親父はどんな奴で、どうなったのか、細かい設定もきちんとしている説得力。なんで「夕日ロマンス」なのかは謎だが(夕日がらみの描写がない)、むっちゃオモロイ。メガネも出るし、要チェキラ。
『五日性滅亡シンドローム(1)』
タイトルが良いよね。内容は、まあこんなもんか。壮大な設定の割りに、危機感やパニックがない。ていうかそういう目線でみちゃだめなのかも。それでも、盛り上がりがないし、淡々としてるだけで、そこに魅力がって訳でもない。ちょっぴりシリアスで、ちょっぴりギャグで、ちょっぴりラブコメなのだけど、どれもちょっぴり過ぎて中途半端。面白くないわけではないが、なんか足りない。不二編は特に足りない。それでも死神編の方は、ギャラ立ちもギャグもいい感じ。もうちょっとシリアスな所でギャップが欲しかったけど。でも何回か読むとコレはコレでと思ってくる。(1)とあるから、もし2,3と続くのなら、とりあえずもっとキャラ立てて欲しい。しかし一番の腑に落ちない点は、コレが4コマである理由。殆んどの話に、起承転結がなく、次の4コマに続くというのは、4コマの意味がなくね。投げっぱなしすぎ。普通にストーリーもので良いと思う。なんかある意味、作品全否定。
『黒猫の三角』
小鳥遊くんと瀬在丸紅子をヴィジュアル化したらこうなるんだなと感動。にしてもこの人の絵は少しオールドスクールな雰囲気がする。でも好きだ、こういうの。物語は結構端折ってるなと思うけど、なんちゅーかスピード解決? 事件に差し障りない程度なので大丈夫。その反面、個々のキャラ立ち部分の描写が少ないから、のめりこめない感がないでもない。まあ2次的なものだし気にしない。それでも紫子さんの影の薄さは異常。そして最後に出てくる本物の保呂草さんのカッコよさも異常。小鳥遊君が登場する短編も収録されて、結構ごついけどその分読み応えアリ。絵も良いし、話も良い。とりあえず読んでて小鳥遊君はオトコだかオンナだかわかんなくなった。