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『すべてがFになる』

第一回メフィスト賞の受賞作であり、森博嗣のデビュー作。S&Mシリーズの一策目にもなるのですが、かなり面白い。理系な単語が登場し、説明も無いから少々読むのに苦労するが、スピーディな話の展開、魅力的なキャラクター、次々とページをめくってしまう。身体的な能力とか、物的証拠とか関係なく論理で解かれていく謎、犯人にいたるまでの論理が物凄く、パソコンの特性や16進法、理系な話ばかりでそれがまた完璧で美しい。謎解きだけでなく、犀川先生、西之園萌絵、天才・真賀田四季の言動も素晴らしい。犀川先生と西之園萌絵の学問的な会話には目から鱗が落ちそうな物ばかりだし、天才の発言や行動は全てを超越したような物ばかり、学問的にも精神的にも凡人にはとてもたどり着けないような所で生きていて、最後の最後まで操り人形のように登場人物全てを動かしていたのは恐れるばかりです。「すべてがFになる」この意味が解けたときの驚きは、ミステリ小説を読んだ中では一番です。
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