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『バス走る。』
佐原ミズの珠玉の連作短編集。淡く切なく温かい物語の数々にボクのポケットのなかのありがとうは一杯になって、今にもあふれ出しそうです。バスを軸に関りあう人たちの物語は、実際そう上手くはいかないもんだろうになあと思ってしまいそうだけれど、この人の優しいタッチの絵柄だと、どうにも癒されてしまう。才能。みんなこの人のもつタレントに触れるべき。すべてがすべて甲乙付けがたい名作だが、特に気に入ったのは2話目。4年――5年たっても変わらない一途さにグッと来る、グッドチューン。そしてメロディとやらに収録された短編2本はもはや神がかり的。とくに「ナナイロセカイ――メガネ泥棒」は素晴らしい。なにってメガネだし。自己中心的な考えでおこるちょっとしたすれ違う二人はみてて楽しいし、なによりメガネだし。度が入ってないのはちょっと許せないけど、このメガネの存在理由は素晴らしい。ありがとう。収録作のクオリティ、雑誌掲載時まんまのカラー頁、凝りに凝った装丁。この内容で1200円という値段設定を、高いととるかか、安いととるかか、妥当だととるかは人それぞれですが、個人的には安いぐらい。驚くよこれ。
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